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第54回


高橋幸司

有限会社高橋幸司の事務所取締役社長。価値負けしない店・人づくりマン、中小企業診断士。お客様に「あなたの店がないと、私、困っちゃう」と言わせる、存在価値で負けない店づくりを志向。商売大好きオーナーの店だけを一所懸命コンサルティングするかたわら、社員教育、マーケティングセミナー、創業塾、各種講演、執筆、ラジオ出演もどんど んこなす。
1966年福島県生まれ。

「完璧より途中」

 計画を立てて仕事をすることは大切。でも、夏休みの計画を思い出してほしい。私の場合ほとんど計画倒れで終わってしまった。その原因は、先生に◎をもらうために最終日まで「完璧」に計画を作ったから。
 好きな図画工作の予定は真っ先に書いた。嫌いな読書感想文の予定は残った空欄に書いた。ところが完璧な予定表を見るのはおっくうだった。理由は簡単。開くたびに嫌いな読書感想文が気になったからだった。完璧計画は良いことだが、その分プレッシャーもあるのだ。

 仕事の計画も同じだ。完璧にすればするほど「こんな問題がおきそうだ」とリスクも見える。「計画通り最後までしなくちゃ」とプレッシャーもふくらむ。慎重な経営者ほどリスクをきらい、「余計なことはやめておこう、今のままでもなんとかやれる」とブレーキを踏む。でもこれでよいのだろうか?
 私は経営に「余計なこと」はないと思っている。行動した分、必ず知恵が生れる。この知恵が富を生む源泉になるからだ。

 情報=知識は簡単に入手できるようになった。でも知識は、持っているだけでは富を生まない。知識を基に行動してはじめて知恵が生れる。行動して富を生むコツは何か?それは、完璧計画ではない。最後まで完璧に計画すると、先のようにリスクも見えすぎて、ブレーキを踏んでしまうからだ。
 オススメは、途中計画。これは「今ここまでやれる」という途中までの計画のこと。好きなこと、今やりたいことの計画だ。これなら、良い意味でリスクが見えないので、「今ここまでできる」と、アクセルを踏める。
 もちろん途中で問題も発生するだろう。でも心配ない。百戦錬磨の経営者が一旦動き出してしまえば、その都度考えて、解決してしまうものだ。受験する前から落ちたらどうしよう、と取り越し苦労するのは愚の骨頂。落ちた時のことはその時考えれば良い。この発想は経営にも使えると思う。
 経営上、大きな分岐点の時は完璧計画が必要。でも日々の戦術レベルなら、途中計画で十分。◎をつけるのは先生ではない。経営者である、あなた自身なのだから。

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