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第52回


高橋幸司

有限会社高橋幸司の事務所取締役社長。価値負けしない店・人づくりマン、中小企業診断士。お客様に「あなたの店がないと、私、困っちゃう」と言わせる、存在価値で負けない店づくりを志向。商売大好きオーナーの店だけを一所懸命コンサルティングするかたわら、社員教育、マーケティングセミナー、創業塾、各種講演、執筆、ラジオ出演もどんど んこなす。
1966年福島県生まれ。

「即答3つ」
 私は、経営者向のセミナーに出講すると必ず質問の時間をとり、即答してくることにしている。質問ゼロという講演は記憶にない。多い時は質問が12個出て移動の新幹線ギリギリだった時もある。今日は、以前の講演会から、即答3つを紹介しよう。

Q1.経営者仲間で繁盛店の視察をしているが、視察する時のポイントは何か?(衣料)
A1.ポイントは、視察先の強みだけを見抜くこと。噂を聞いて見に行っても欠点だけ見て「たいしたことない」と帰って来るのはプロではない。欠点は誰でもわかる。お客様は、その店の良い所を見て来店しているのだから、視察も良い所、つまり強みだけ収穫してくれば十分。また、視察先に繁盛店ではなく、これから繁盛する店、つまり繁盛店予備軍を加えてみてはどうか。こちらはまだ欠点が目立つ店も少なくないが、成長途上にある分、繁盛店より身近で、収穫も多いと思う。やっていけないことは、100%モノマネ。収穫したことは、必ず自店で加工して使うこと。経営者の器の違いがあるので、コントロール可能な量、期間、金額で実行するのが大切。

Q2.自分の趣味を商売にしたいが、うまくいくと思うか?(菓子)
A2.確率から言うと、趣味を仕事化する人よりも、仕事を趣味化した人のほうがうまくいき易いと思う。どの商売もそうだが、お客様を喜ばせることが好きじゃないとうまくいかない。趣味への想いが強すぎると、自己満足の店で終わってしまいがち。一方、仕事を趣味化した人とは、はじめはしかたなく継いだ家業も、お客様に喜ばれるうちにどんどんその商品や仕事に興味がわき、気づいたらハマッていた、というもの。実は、私も後者のパターンだ。趣味でこの業界に入ったわけではない。もちろん独立するのだからコンサルティングに興味があったのは事実。しかし、それは趣味のレベルではなかった。事業を軌道に乗せるまで、逆にそれまでの趣味を一切やめて、時間とお金を全て仕事につぎ込んだ。業績が伸びるとともに、気づいたら仕事が趣味になっていた、というのが本音。後継者が継いでうまくいってる店は、やはり仕事を趣味化しているご子息が多いと思う。

Q3・店を新しくして、お客様が増えてはじめは忙しかったが、それが続かなかった。原因は何か?(眼鏡)
A3・販促、商品、接遇と様々考えられる。接遇、つまり人の印象は再来店に大きく影響すると思うので、検証してみてはどうか。ポイントは、例えば店を後にする時の見送りは、商品の購入如何にかかわらず、店頭まで出て行うこと。また、「ありがとうございました」も感情移入すること。感情移入は、例えば、新入学生には「ほんとによかったですね。身体に気をつけて、学生生活を。」という気持を込めて「ありがとうございました」と一礼するのが大切。マニュアル的な「ありがとうございました」にはない温度が伝わって、お客様は「あ〜気持のいい応対だ。この店で良かった」と思うはず。別れ際に、こうしたプラスの余韻を残せれば、店を卒業される事はない。