JR郡山駅から会津若松方面へ磐越西線の快速電車で13分、JR磐梯熱海駅を出るとすぐ、「郡山の奥座敷」とも呼ばれる磐梯熱海温泉街がある。観光やレジャーの主流が団体型からグループ型にシフトする中、多くの温泉街がそうであるように、磐梯熱海温泉もまた時代に対応した変化を必要とされてきている。
そんな中、訪れた観光客に地元の魅力を最大限にアピールする方法はないものか、温泉旅館の若手経営者を中心とするグループが日夜議論しながら考えた結果、手作りともいえる企画が少しずつ実行に移され始めている。他力本願ではなく、まず自分たちが出来ることを足元から実践しようとする取り組みは、約800年の歴史を持つ温泉街に新たな風を吹き込もうとしている。
磐梯熱海温泉にある旅館で組織される磐梯熱海旅館協同組合、その若手経営者を中心に組織された青年部が考えた新たなサービスがこのたびスタートした。旅館に宿泊してもらうだけではなく、磐梯熱海の街の魅力を思う存分堪能してもらおうと、レンタサイクルのサービスを5月から開始したものだ。駅前の組合事務所のほか、旅館2ヶ所にもターミナルを設けて貸し出しを行っている。料金は、最初の1時間が300円、延長は1時間につき100円、貸し出し時に1,000円を預かって自転車返却時に返すしくみ。
「磐梯熱海をゆっくり楽しんでもらいたいんです」と青年部の佐藤克馬部長(旅館深山荘代表取締役)。佐藤さんは、今回の企画を共に練り上げてきた青年部のメンバーを代表して熱い思いを我々に語ってくれた。「50本を超す巨大なケヤキが群生する遊歩道、十二神楽の奉納を見ることができる神社などの名所、ラーメンやそばなどおいしいものが食べられる店など、地元にある隠れた魅力をなんとかして伝えたいと思ったんです。そのためには自転車でのんびりと巡ってもらうのが一番だと。そして、思わず行きたくなるような案内マップが必要だということに気づきました」。こうして誕生したのが、今までの観光マップとは一味違う魅力を持つ「あたみグルグルやっほー」。地元の人にとっても新たな発見につながるような詳細情報が満載で、いわば宝探しの地図のようなもの。このマップを一度手に取ったら、観光客でなくてもぐるぐる歩いてみたくなるだろう。制作に携わったファムロード有限会社の遠藤常務も、「だいぶ手間は掛かりましたが、仕上がりには自信があります」と太鼓判を押していた。
萩姫まつり
温泉の開湯伝説にちなんでお湯に感謝を捧げるこのお祭りは、毎年8月9・10日に開催される当温泉最大の祭りです。
ミス萩姫による献湯祭や芸者みこし、盆踊りなど夏祭りの華やかさが繰りひろげられます。
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最後に佐藤部長が言った言葉が心に残った。「今回の取り組みでの一番の収穫は、自分たちの意識が変わったことです。悩みながらも真剣に考え、自分たちでなんとかしなければとコミュニケーションを深め合ううち、あらためて地元に対する愛情と尊敬の気持ちが涌いてきました。この泉を絶やすことなく、これからも磐梯熱海の魅力を伝えていきたいと思います」。
[企画課:鈴木道雄]
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