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第42回


高橋幸司

有限会社高橋幸司の事務所取締役社長。価値負けしない店・人づくりマン、中小企業診断士。お客様に「あなたの店がないと、私、困っちゃう」と言わせる、存在価値で負けない店づくりを志向。商売大好きオーナーの店だけを一所懸命コンサルティングするかたわら、社員教育、マーケティングセミナー、創業塾、各種講演、執筆、ラジオ出演もどんど んこなす。
1966年福島県生まれ。

「『報・連・相』の具体化」
 友達に「ガンバレ」と励まされて、歯をくいしばって走る。あともう少し。「ヤッター!」長距離走は誰もが経験する体育の授業の定番。タイムはともかく、ゴール後は「自分で自分をほめてあげたい」と、どこかで聴いた台詞がピッタリはまる。息が落ち着くと励ましてくれた友達に「ありがとう」と、感謝の気持ちが溢れてくる。
 短い言葉だが、この“ガンバレ”という言葉のパワーはすごい。しかし、ビジネスの世界では、使い方に工夫が必要だ。経営者のあなたが部下に言うガンバレは、「ガンバって仕事をしてくれ!」という意味だろう。部下がガンバって一所懸命に仕上げた仕事でも「きみ本当にガンバッたの?」と言いたくなる時もあるはずだ。

 原因は部下にあるのか?いいえ、99%経営者のあなたにある。つまりあなたの言葉が足りなくて、部下は何をいつまで、どのようにガンバレば良いのかわからなかっただけだ。これをガンバレの具体化不足と呼ぶ。
 ガンバレの具体化不足。実は、当社でも経験済みだ。何をどのようにして、いつまで仕上げるか?ガンバる内容を部下が理解できる言葉で伝えなかったために、トンチンカンな仕事をさせてしまったことがある。その時学習したのは、ご存知“報・連・相(ほうれんそう)”の重要性だった。
 ところで、あなたの部下は報・連・相の意味を理解しているだろうか?当社では、指示を出す私自身が報告も連絡も相談も同じようにとらえていた。これでは部下が区別できっこない。そこで、報・連・相の具体化からはじめた。

 まず、報・連・相から相・連・報に順番を変え、それぞれの意味を共有化した。相談は、部下が仕事をはじめる前に私に聴くこと。具体的には、仕事の〆切日やその仕事をするために必要な経費の確認など。連絡は、ここまでやりましたが大丈夫ですか?と仕事の途中確認。最後の報告は、できました!と完了を知らせることだ。
 すると部下も相・連・報を使い分けることができて、仕事の仕上がりも間違いない。経営者(上司)は仕事を売り、部下は仕事を買う感覚。相・連・報は間違いなく私たち経営者の武器になる。相・連・報を使いこなせば、ずいぶん仕事を売り易くなるはずだ。これはまさに部下のマーケティングであり、お客様のマーケティング同様に重要だ。(マーケティングについてはマーケティングスパイス第9回参照)。

 相・連・報だけではなく、他にも区別しにくい言葉、通じない言葉があれば、社内で翻訳して共有化してみよう。たとえば「一所懸命働く」と「一生懸命働く」。あなたの会社では使い分けているだろうか?