福島県折込広告社


 特集

 社員のコラム

 マーケティングスパイス

 こちらOMS研究所

 折込モニター集計表

 バックナンバー

第34回


高橋幸司

有限会社高橋幸司の事務所取締役社長。価値負けしない店・人づくりマン、中小企業診断士。お客様に「あなたの店がないと、私、困っちゃう」と言わせる、存在価値で負けない店づくりを志向。商売大好きオーナーの店だけを一所懸命コンサルティングするかたわら、社員教育、マーケティングセミナー、創業塾、各種講演、執筆、ラジオ出演もどんど んこなす。
1966年福島県生まれ。

「創業の顔」
 コンサルティングを通じて発見したことがある。それは、事業が拡大する過程で、事業が衰退する芽が育ちやすいことだ。つまり、うまくいっている時こそ注意が必要なのだ。
芸能界も同じだと思う。何か事件を起こしたりスキャンダルが露呈するのは、うまくいっている絶頂期が多い。その芽は売れていく、つまり、うまくいく過程で生まれ、成長していたのだ。

 大きくなることはいいことだ。これは、間違いではない。しかし、経営場面では条件がつく。潰れない会社作りに重要なことは、大きくなる過程で、小さい時にできたことを省略しないことだ。
 小さい時、たとえば、創業オーナーであるあなたが、毎日店に立っていた時のことを思い出してほしい。一所懸命なあなたは、お客様のリクエストに対して、決してNOと言わず、どんな注文にも必死に応えていたはずだ。夕方までにフリージア中心のフラワーアレンジを20セット頼まれると、フリージアが足りなければ、他店から買ってきてでも対応した。開店30分前のお客様も、準備の手を止めて喜んで店に入れた。どんなに忙しくても礼状はその日のうちに書いた。おしぼりやマットの納品業者にも、お客様と同じ角度で頭をさげた。とにかく早起きし徹頭徹尾掃除をした。

 こうしたことは、創業時はやって当たり前と思うかもしれない。でも、このように一所懸命応えてきた積み重ねが、あなたの店とお客様の絆を深めてきたに違いない。しかし、成長する過程でこの創業の顔を忘れてしまい、効率やマニュアルを優先し、一所懸命を省略してしまう店も少なくない。あまり考えずに無理なリクエストには、第一声でNOと言ってしまう。開店時間前には、たとえ雨の中お客様が並んでいても店に入れない。新しいお客様にすら礼状を書かない。業者に傲慢な態度をとる。多くの場合、事の重大さに気づくのは、お客様が店を卒業して他店に行ってしまった後だ。

 大きくなる、つまり、成長過程で重要なのは、小さな店のようにふるまい続けること。よい意味でうぶな、創業の顔を持ち続けることだ。成長過程で、お客様は、ちょっぴりわがままなリクエストもしてくるだろう。これが絶好のチャンスだ。リクエストに一所懸命に応えた分、お客様との絆が生まれ、愛着が深まる。すると、お客様から、「あなたの店がないと私困っちゃう」「もうあなたからしか買いたくない」と言われるはずだ。これが存在価値で負けない店だ。存在価値で負けない店になれば、決してお客様に卒業されることはないはずだ。