福島県折込広告社


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    折込広告の今後を左右する「新聞販売を取り巻く環境」
折込広告は、新聞の間に挟まれて読者に毎日届けられることに存在価値がある。これを支えているのは、世界に誇る日本の新聞戸別配達システムである。雨の日も雪の日も、家で待っているだけで毎日ほぼ同じ時間に新聞と折込広告を届けてもらえる贅沢は、失った時にはじめて実感することかもしれない。インターネットなど、ITの発達によって情報との係わり合い方が随分様変わりしてきている。欲しい情報だけををいつでも自由に得ることができるデジタルメディアの便利さを否定することはできないが、人の汗とぬくもりを肌で感じることができるアナログメディアもまた捨てがたい。あたりまえと思っていることが、もしかしたら根底から覆されるかもしれない状況が、今の日本の新聞販売を取り巻く環境の中にある。

■再販売価格維持制度(再販制度)と特殊指定
新聞は、再販制度によって定価販売が維持されていることは多くの人が知るところである。文化の普及に深い関係があることから、再販制度によって守るべき著作物のひとつとして認められている。再販制度に関しては、2001年に公取委が存続を決定し、今日に至っている。しかし、2005年11月、公取委が「新聞の特殊指定」の見直しを表明したことで、新聞に携わる業界に新たな波紋が拡がっている。「特殊指定」は、新聞とゆかりが深い我々ですらあまり耳にしたことがないが、実は再販制度の問題とリンクして非常に重要な意味を持っている。
日本の現在の新聞販売システムでは、「大都会のど真ん中」と「山間地の農村」で宅配される新聞の定価は変わらないし、よほど厳しい地理条件でないかぎりは毎朝きちんと宅配される。それは、再販制度と特殊指定によって保護されていることで、様々な条件の差に左右されずに均一のサービスを提供できる基盤が成り立っているからである。自社の新聞を定価で売るように販売店と契約することを認めているのが再販制度であり、これは、特殊指定という縛りがあって初めて効力を発揮する。新聞の特殊指定が無くなれば、地域での販売店間の競争が激化し、値引き合戦などに敗れた販売店は撤退してしまい、勝ち残った新聞販売店が売る一定の銘柄の新聞しか購読することができなくなる可能性がある。また、都市部よりも配達にかかる経費の負担が大きい郡部では、購読料金が値上げされたり、販売店自体が存続できずに撤退してしまうことも考えられる。
新聞の販売は、再販制度と特殊指定の両輪によって守られてきた。それは、日本の歴史と文化において新聞が果たしてきた役割の裏付けでもある。新聞が果たすべき役割はまだ終わっていない。

■新聞を取り巻く環境の変化
日本の新聞は、日々の様々な情報を誰でも手軽に得ることができるメディアとして、長い間わたしたちの暮らしの中に根付いている。しかし、近年の情報革命ともいえる激しい進化により、新聞の存在価値と果たすべき役割が微妙に変化してきている。それは、新聞だけではなく、テレビ、ラジオ、雑誌のいわゆるマスコミ4媒体すべてにおいて当てはまることだ。地上デジタル放送を携帯電話で視聴するような時代になってくると、情報伝達スピードに長けたメディアが間違いなく力を発揮する。多くの新聞社がなんらかの電子・電波媒体のサービスを提供していることがそれを証明している。
様々な分野で規制緩和が進む中、特殊な取引や制度を撤廃しようとする風潮が更に強くなることが考えられるが、各新聞社、関係団体、政府要人などが「新聞の必要性」「戸別宅配制度維持」の観点から、特殊指定の撤廃に強く反対している。一番大切なことは、読者が現在の宅配制度の維持を強く求めているという事実だ。欲しい情報だけを素早く得ることが目的ならば、新聞より便利なメディアが他にもある。新聞は、「情報を伝えるメディア」としてはもちろんのこと、「情報の湧き出る泉」としての役割が大きい。新聞を読むことによって多種多様な知識と興味が与えられ、毎日の生活に新鮮な刺激を与えてくれる存在である。そんな魅力を持った新聞を毎朝寝間着のままで取りにいける戸別宅配制度の存続は、我々が携わっている折込広告の媒体価値を存続させることにもなる。新聞と折込広告が一体となって家庭に毎朝配られるシステムの崩壊を許してはならない。